4月8日

 4月に入ってから、新刊「困ったココロ」のPRのために大阪・名古屋の書店さまをまわり、サンクチュアリ出版の営業の方と一緒にご挨拶をしてきました。
 まだ明日は浜松、明後日は静岡と挨拶まわりは残っております。挨拶まわりといっても書店様も忙しいですし、みんながみんな歓迎して下さるとは限りません。中には応接室まで招いてくださりお茶を出してくれるような感動的なご対応をいただけることもあれば、「売れてないですねえ」でどーんと突き放されることもあります。
 しかしどんな時でも営業の方は著者の保護者となって、営業活動の先陣を切り我々を適切な場所に導いてくれます。もちろん、親切に対応くださる本屋さん、手書きのPOPをつけてくださったり力を入れて売ってくださる書店員さんも多く、ともかく毎回書店回りというものをすると、本を売るという事柄には自分の手柄はごく僅かでしかなく、編集者の方、広報の方、営業の方、書店員さん、いろんな方のお力添えがあってこそ1冊の本がお客さんに届くのだ、その方々のお力なくしてはいくら著者が本を書いてもそれを読者のみなさんに届けることはできないのだ、ということを実感させられます。
 それだけに、関係する方々にそこまで一生懸命やっていただいて、しかしそれにもかかわらず本の売れ行きがイマイチであると、非常に責任と罪悪感を感じてしまいます。せっかくみんなが一丸となって売ろうとしてくれているのに、自分の文章の力が及ばなかったがために結果に結びつかずに申し訳ない……という気持ちにもなってしまいます。本屋さんもせっかく貴重なスペースを空けて僕の本を置いてくださっているのに、売り上げに貢献できていないと、申し訳なくてどんよりとした気分になります。
 ただ、結局のところこうして現場をまわり、出版社の方々や書店員さんとお話したり、地方に出かけたことで思わぬ出会いがあると、「これからも仕事がんばらなきゃなあ」という気にさせられます。
 今回は2カ所でサイン会も行いました。名古屋でのサイン会には大阪から、浜松でのサイン会には東京から、それぞれはるばる来て下さった読者の方もいました。
 また、今回名古屋のお客さんはみなさん大人で統一されていたような気がしますが、浜松ではご両親と一緒に来てくれた小さなお子さん、中学生や高校生の方たちなど、若い方の姿が目立ちました。そういう若い方というのは、本をボロボロになるまで読み込んでくれるのですよね……。そんなボロボロに読み込まれた文庫本をサインのために差し出されると、思わず感動で涙しそうになってしまいました。こんなろくでなしの本を、よくここまで読んでくれましたねと。ありがとうありがとう。
 しかしまだまだ、さくら剛のサインをもらったというのは友達に自慢できることではないと思います。さくら剛のサインもらったぜー!と本を見せても、「誰それ?」と言われるパターンが多いことでしょう。そこを「誰それ?」ではなく「すごいじゃん!!」と言ってもらうためにも、僕がもっと頑張らねばいけませんね。わざわざ金山まで、浜北まで、来てくれたみなさんの気持ちに答えるためにも、もっと精進して、良い本おもしろい本売れる本を書けるようにがんばりたいと思います。
 出張って、本当に素晴らしいですね。