お菊さん

 先日散歩で姫路城まで行ったのですが、お菊さんの井戸がありました。
 お菊さんって東京のどこかの人だと思ってましたけど、関西の人だったんですね!! お菊さんというのはもちろんあの有名な、皿を数えるお菊さんです。お茎さんではありません。お菊さんです。お茎さんとは違います。菊にも茎はありますけど。おくきさんではありませんよ。
 そんなお菊さんが夜ごと皿を数えているという井戸……そんなものがまだ残っているなんて知りませんでした。伝説の話だとばかり思っていたのに! くゎいだんの中の話だと思っていたのに!
 デジカメでびしばしと写真を撮ったので、こっそりお菊さんが写り込んでいるかもしれません。楽しみです。そもそも姫路城にお菊さんの井戸があると知っていたら、どこかで皿を買って行ってあげたのに。あと1枚皿があればきっと成仏できるのでしょう彼女は。それか、昔こういうのやりませんでした? 10円玉や100円玉を2枚持って、素早くこすりあわせると2枚の硬貨が3枚に見えるっていう! それなら2枚の皿を素早く擦り合わせれば、3枚のお皿に見えるはずです。それなら、「いちま~い、にま~~い、さんま~~~い、よんま~~い……」と数えていって、「ななま~~い」を数えたところで、残りの八枚目と九枚目を素早く擦り合わせて、3枚の皿に見えたところで「はちまいきゅうまいじゅうまい!!」と数えてしまえば成仏できますね。

 いちま~い、にま~~い、さんま~~~い、よんま~~い……
 と数を数えることで有名なお菊さん。そんな有名なお菊さんがいる姫路城なのに、姫路城は、観覧時間が17時までなのです。まだ太陽が出てる時間です。
 こんなことでは、せっかくお菊さんが張り切って「いちま~い、にま~~い……」と皿を数えながら血だらけの怖いフルメイクで登場しても、彼女を見る観光客は誰1人いません。誰もお菊さんを見てくれません。係員でさえ、もうみんな帰宅しているでしょう。女性は見られるとキレイになると言いますから、このさい姫路城の観覧時間を夜中の2時頃まで延長して、たくさんの観光客がお菊さんを見学できるようにすればいいです。血だらけで恐ろしいお菊さんも、観光客に観光されたり写真を撮られたりしたら日に日にキレイになっていきますよ。自分に自信を持った彼女は次第に笑顔を取り戻し、女としての輝きも増して皿を数える絶世の美女としてさらに各地から観光客が押し寄せることでしょう。
 ところで、姫路城の姫事情はどうなのかな。そしてこれを読んでいるあなたの姫事情はどうなんだい? どぅへへっ(笑)