第144回放送 「カレーにひと味くわえる奴はろくでなし」

本当に理解に苦しみます。なぜわざわざプロのカレーにひと味加えて不味くしてしまうのか……。
これを聞いてくださっているみなさんも、それぞれなにかしらのお仕事のプロだと思います。
そのお仕事に、素人のお客さんが出しゃばってアレンジを加えてきたらどう思いますか? 思う思わないはともかく、そのお仕事のクオリティはどうなりますか?
私は文章を書くのがお仕事です。新人時代よりはいくらか文章力がつき、精度は上がった気はしますがそれでも本の原稿は最初から最後まで書いた後7回推敲をします。フリとボケとツッコミのバランス、笑いと真面目のバランス、もうこれ以上動かせないというくらい究極の仕上げをします。その文章に「俺にもひと味加えさせろ」と素人ブロガーさんがちょっかいを出して来たら? おもしろツイッタラーさんに勝手に文章を改ざんされたら? 怒り狂うと同時に、文章精度は地に落ちます。たとえ、1文だけの改変でも。
カレーにひと味加えるみなさま。みなさまがやっているのは、そういうことなんです……。
素人が考えつく工夫は、プロは、すべてとっくに考えているんです。そういう選択もすべて試した上で、最終的に今の完成体に辿り着いているんです。素人の工夫の100光年先に、プロはいるんです。なぜそれを尊重できないのか? カレーにひと味加える人たちは。

以下、参考サイトをご覧ください。
これを読んでも、まだひと味加えますか……? 足を引っ張るだけなのに。

ためしてガッテンのレポートより:「市販のルウは膨大な研究の末に完成されたものなので、安易なアレンジはしないほうがよいそうです。」

西原理恵子さんのマンガより:「プロが何年もかけて試行錯誤して作ったカレー粉です、家庭のかくし味は足ひっぱるだけ」

そんなわけで、さくら通信BBQオフ会にて行われたカレー対決、さくらカレーと山本カレーの写真がこちらです。どちらがどちらのカレーか? それは、ご想像ください……。